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中学入試にどう影響する? 新学習指導要領の考え方 [中学入試]

2017年3月に告示され、小学校は2020年度、中学校は21年度から全面実施される新学習指導要領。英語が小学校5年生から教科となること、問題を自分で見つけて解決する力を育てる「主体的・対話的で深い学び」、いわゆるアクティブ・ラーニングが全教科で導入されることが大きなポイントです。
今回は、新学習指導要領の考え方が、中学入試にどのような影響を与えているかについてお話しします。

「主体的な学び」の第一歩は、学んだ知識を自分なりに「使う」こと

最近、長く基礎英語の監修に携わられ、中央教育審議会で教育課程部会のメンバーでもある東京外国語大学教授の投野由紀夫先生にお話を聞く機会がありました。
2020年度からは、今の中学1・2年生で学んでいる英語の内容が、小学校5・6年生のカリキュラムに入ることになります。また、単語や文法の知識・理解だけでなく、場面に応じて「使える」ようにすることが、新学習指導要領のポイントです。
「こんな場面では、こんな語彙と文法が使える」というふうに、知識を場面ごとに再構成し、適切な言葉として出てくるように訓練する必要があるのです。

とはいえ、学んだ知識を場面に応じて「使う」トレーニングは、まだなかなか学校現場に浸透していないので、学校によって取り組みに違大きくいが出るのではないか、と先生はおっしゃっていました。子どもによって「単語はわかるけれど、表現として口から出てこない」「言葉を組み合わせる力はあるけれど、語彙が足りない」など、個人差も大きくなるので、中学に入った段階で学習履歴や到達度をチェックして、個別に力をつけてあげる対応が必要になるかもしれません。

新学習指導要領において、学んだ知識を「使う」力は、英語に限らずすべての教科で大切なポイントとなっています。学んだ知識がそのまま頭に入っているだけでは「主体的」「対話的」になることは難しいでしょう。
算数や理科で学んだ原理や法則、社会で学んだ歴史や社会のしくみなどを、必用に応じて頭の中から引きだして使い、問題解決に役立てることが求められているのです。
ちなみに、PBL(Project Based Learning、課題解決型授業)を早くから取り入れている欧米では、提示された課題に対してグループで考えさせる課題解決型の教科書がしばしば採用されています。(たとえば英国の算数の問題群『BowlandMaths』など)。

「グローバル」「アクティブ」な取り組みに成果が見え始めた学校に志願者が集中

新学習指導要領の方向性が明らかになった2015年頃から、数多くの私立中高一貫校が「アクティブ・ラーニング」や「グローバル教育」を掲げ、一歩先んじた取り組みを行ってきました。
それから約3年が経ち、難関大学への推薦・AO入試や海外大学の合格者が出るなど、各校の取り組みの成果が見え始めています。模試などから今年の受験生の動向を見ると、そのような学校に志望者が集中する傾向が顕著に表れています。「探究」「課題研究」などのアクティブ・ラーニング型の授業をカリキュラムの中心に据えたり、大学の研究にも通じるような先端的なグループ研究を進めている学校もあります。

アクティブ・ラーニングには前提となる教科の基礎力も必要ですし、生徒の発言を引き出す先生のファシリテート力も重要となります。基礎力を効率よく充実させるため、反転学習(ICT機器などを用い、基礎は身につけた上で授業に臨む)や個別学習を取り入れる、アクティブ・ラーニングのためのファシリテート研修や研究会を行うなど、各校で様々な努力が続いています。

「情報公開が進んでいる」ことが学校選びのひとつのめやす

新学習指導要領の方向性を見据えて志望校を選ぶ際、ひとつのめやすとなるのが、各校の情報公開のしかただと思います。
たとえばグローバル教育が進んでいる学校では、海外大学への進学実績や留学実績等のほか、英語の外部検定試験の目標とその達成率を公表したりしているところもあります。アクティブ・ラーニングに自信のある学校は、頻繁に公開授業を行ったり、ホームページなどで生徒の研究成果を発表したりしています。
身につけた基礎力を、わが子が自分で「使う」場面がどれだけ用意されているか。それを、公開された情報や学校現場で見極めることが、これからの学校選びのポイントかもしれません。

(筆者:森上展安)

[Benesse教育情報サイト:教育ニュース 2017年11月28日 (火) 0時00分]

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