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教育にコーチングが根付いている国の子どもは幸福度が高い?[やる気を引き出すコーチング]

数年前から、教育のベースにコーチングが根付いているオランダへ視察に行き、研究をしています。これまで、小中高大学など10校以上、様々な教育手法をとり入れている学校を見てきました。

時間割も教科書もない学校、子どもたちが自分の好きなことを自由に動き回りながら学んでいる学校など、各々にユニークな特徴があるのですが、どの学校に行っても、共通してブレない軸があることに圧倒されます。これが子どもの幸福度世界一の国の教育なのだと感動します。

■子どもが「自分の価値」を感じることができる教育

例えば、先日、視察してきた学校は、日本で言うと中学校なのですが、1年生から、様々な職業体験を通して、「自立して社会生活ができる人を育てる教育」が行われていました。

どちらかというと、小学校では勉強が苦手で学力が低い子どもたちが多い学校ですが、「自分にはどんな強み、価値があるのか?」「社会にどんな貢献ができるのか?」を教える学校だと校長先生はおっしゃっていました。
学校の中に、実際にレストランや洋服を売るお店、自転車を修理する実習室があり、近所の人たちが利用しにやってきます。子どもたちは、実際に調理や接客をする中で、仕事のおもしろさや喜ばれる感動などを体験していきます。
自分はこの仕事を通して、人の役に立つことができると感じられれば、そのために必要な勉強はどんどん意欲的にしていきます。
「これを勉強して、将来何になるのだろう?」と思うことを、「あなたのためだから」と言われてやらされているだけでは、決してやる気は起きません。

日本では、受験がある以上、学力をあげることは避けて通れませんが、そのことが子どものどんな幸せにつながっているのか、自分にはどんな価値があるのかを考え、実感できる機会があると、勉強への意欲も自ずと引き出されるように思います。

■体験と省察から学ぶ教育

オランダの学校では、授業の折々に、先生から質問が投げかけられます。
「ここまでやってみてどう思った?」「どんなことに気がついた?」「何がわかった?」
これらの問いに対して、先生が「答え」を持っているわけではありません。
純粋に、子どもたちの考えを促す質問です。どんな答えが返ってきても、先生はまず受けとめます。ですから、子どもたちにも、先生が求めている正解を答えなければという思考がありません。誰かの評価を得るためではなく、純粋に自分はどう思うかを考え、表現し合います。

そして、最後に必ず、この学びの体験を次に活かす質問がなされます。
「次はどうする?」「次、やる時は、もっとどうしたらいいと思う?」
これらの問いによって、今回の体験をふりかえり、次の機会に活かそうという気づきが生まれます。これを省察と言います。たとえ、うまくいかなくても、それは失敗ではありません。その体験からまた学びを見出します。

やってみてふりかえり、またやってみてふりかえる。この過程が、オランダの教育現場では、非常に大事にされていると感じます。まさにコーチングのプロセスと手法です。
自ら省察し、実践したことがうまくいくと、自己肯定感はより高まります。誰かに教えられてうまくできても、「教わらないとできない」という枠をはめてしまいます。ですから、大人が「答え」を持たずに、子どもの考えを受けとめることは非常に大切です。

例えば、「プログラミングの授業をする先生は、プログラミングについてあまり知らないほうがいい。子どもと一緒に考えながら学ぶほうが子どもも伸びる」とオランダの教員養成大学の先生がおっしゃっていました。
このような関わりによって、真に自分の幸せとは何かを自分で考えられる子どもが育っていくのです。オランダと日本では教育制度も文化も違いますから、必ずしも同じようにすれば良いというものではありませんが、日本でもまだまだやれることがあるのではと感じます。

[Benesse教育情報サイト:教育ニュース 2019年3月19日 (火) 0時00分]

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