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「人のせい」にして不満ばかり言う子どもへの関わり方[やる気を引き出すコーチング]

コーチングのプロ、石川尚子さんが子育てに役立つコーチング方法を伝授いたします。


最近、コーチング講座などの場に、中学生や高校生も参加してくれるようになり、折々に話を聴く機会があります。
そんな中で、学校や先生、親などに不満を持っている子どもが本当に多いと実感させられます。

「なんでこんな勉強しないといけないの!って思うことが多すぎてムカつく!」
「意味わかんない校則とかあって、それをただ『ルールだから守れ!』って言えば、こっちが納得するって思っているなんて、おかしくないですか?」
口を挟まず受けとめながら聴いていると、いろんな不満が出てきます。

不平不満は提案に変える

「確かにそうだね!わかる!わかる!」と、最初は思うのですが、しばらく聴いていると、だんだんこちらもイライラしてきます。

「言っていることはわかるけど、さっきから、大人が悪い、学校が悪い、教育が悪いって人のせいにばっかりしているよね。だいたい、今、こうして学校に行けているのは誰のおかげだと思っているの?そのことを考えてみたことはある?」

そんなことを言いたくなります。しかし、それを言っても、この子たちにとっては、「やる気にはなれない対応だな」と思うと、私はスイッチをよりいっそうコーチモードに切り替えることにしました。

「じゃあ、どうだったらいいの?」
「え?・・・だから、先生がもっとこうしてくれたら」
「じゃあ、先生にそうしてもらうためには、あなたはどう伝えたらいいと思う?」
「いや、だから、それはずっと言ってる!でも、全然変わらないんですよ!」
「うん、そうなんだよね。言っても変わらないってことは、先生もその言い方では納得できていないってことだよね。今までの言い方ではうまくいっていないんだったら、もっとどういうふうに言ったらいいのかな?」
「えー?・・・」
「不平不満では誰も動かない。その気持ちを『提案』に変えるとしたら、どんなふうに言える?自分ができることは何かな?」

すぐには答えが返ってきませんが、少し考えてくれるようになります。

「あなた」を主語にした質問をする

「私の毎日がつまらないのはあの人のせい」「周りが何かしてくれないと自分は幸せになれない」という当事者意識のない思考のままでは、決して幸せにはなれません。

自分事として考える習慣を持たない子どもは、主体的、自律的には生きられません。
不平不満は受けとめつつ、「相手が〜してくれない」と人のせいにしている思考を、少しずつ「自分はどう解決するのか」という思考にシフトしてもらうように質問をしていきます。

具体的には「あなたはどうだったらいいの?」「あなたはどうしたいの?」「あなたはどうするの?」「あなたが今できることは何?」と、「あなた」を主語にした質問です。
「自分の人生は、自分しだいでいかようにでも変えていける!」と自覚してもらえるように質問で関わっていきます。

最初は、外側にばかり意識が向いているので、すぐには答えられないこともあるでしょう。しかし「あなたは・・・」と問われ続けることによって、自分の内側に答えを探しに行くようになります。「自分はどうするのか?」という思考が働き始めます。

今回の講座終了時に、こんなやりとりがありました。

「今日は来てくれてありがとう。参加してみて、もっとこうだったらよかったなと思うことがあったら、今後の参考のために聞かせてもらえると嬉しいのだけど、どうかな?」
「もっと、最初から自分の意見を積極的に話せたらよかったと思いました」
「最初から話しやすい場を作るために、私はどうしてあげたらよかったのかな?」
「いえ、それは、自分しだいなので!私がもっと積極的になれるようにがんばります!」

最初は不満ばかり言っていたのに、帰る頃には、すっかり、自分事の思考になっている高校1年生の発言に感動を覚えた1日でした。

[Benesse教育情報サイト:教育ニュース 2019年10月15日 (火) 0時00分]

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